彗星を撮影!

ハレー彗星に憧れた子ども時代

 子どもの頃、ハレー彗星が話題となりワクワクした記憶はあります。実際、1986年に接近したようですが、当時は天体観測にそれほど夢中になっていたわけでもなく、仕事をしていたこともあり見たという記憶はありません。周期が75年であるため次は2061年。生きていないわ。

 子どもが生まれ、それなりに自然にも興味を持ち始めた頃、経緯台に載せたカセグレン望遠鏡を購入。手動で星を導入するシステムも搭載して、お手軽に星を見る環境にはなったけれど、なかなか仕事も忙しく、子どもらも成長してしまい一緒に遊ぶこともなく、望遠鏡は仕舞い込んでしまった(笑)。

 転職して長野県に住む様になり、夜空がとても綺麗な環境であることに気付き(笑)、遅くに帰宅した際、漆黒とは言わないまでも都会よりは綺麗な夜空を眺めることも増えた。そういえば昔、天体写真を撮りたくて白黒フィルムの増感現像などもしたけれど、結局納得できるような写真にはならなかったなぁ。苦労して撮影しても、現像したらミミズのはった痕のようなものばかり。「天文ガイド」に掲載されるような写真とは程遠く(笑)諦めた頃を思い出す。

 長野に居住するようになった頃はすでにフィルムではなく、デジタルにもなっていたこともあり、手持ちのデジイチを三脚に据えて撮影してみたら。。。あれ、しっかり写るじゃん。ということで、忙しくても星空の綺麗な夜中には三脚を出す始末。その後、ボチボチと機材も揃えつつ、身の程にあった環境にはなってきたかな。数年前に退職し、冬の夜空が綺麗な時には数時間撮影することも。

ZTF彗星(C/2022 E3)

 オリオン星雲とかアンドロメダ星雲をチープな環境でも、そこそこ撮影できるようになり、日蝕や月蝕なども撮影できるようになってきた昨年暮れ。ZTF彗星という変わった名称の彗星が到来するらしい、ということを聞きつけるが、それはしっかりとした赤道儀に大きな望遠鏡を備えた人たちのターゲットだろう、と諦めていた。

 目視できない暗い天体でもあるため、とりあえず目印になりそうなところまで到来した時にでも撮影してみるか、という程度。ちょうど2023/02/14ごろに牡牛座にある一等星アルデバランに再接近。で、とりあえずアルデバランを狙ってみた。

2023年2月15日 午後8時30分頃から30分ほど。
牡牛座アルデバランをターゲットに!
Nikon D3300 + Nikkor 200mmF4(f8)、iso1600、60sec x 20枚のうちの初めの8枚をコンポジット合成(PhotoShop)、ポラリエで追尾。

アルデバラン(中央)とZTF彗星(左・東)

 上記写真は撮影当日、8枚の画像をPhotoShopでコンポジット合成しただけの画像。簡単な処理だけでもそれなりに彗星とわかる映像。生まれてはじめて自分にも撮影できたと驚いている。それなりに青?緑?の核と短いけれども尾がなんとか判別できる。撮影データはもっと多く合計30分ほどある。しかし、彗星は恒星よりもはやく移動しており、20枚のデータを合成すると彗星が伸びてしまう。彗星を固定して合成することもできるらしいが。。。方法が理解できていないので今後、がんばってみる(かも)。

ZTF彗星(上と同じデータを複数枚で画像処理すると彗星もそれらしく見える)

 同じデータをステライメージで処理をしなおして、背景の星を少し消してみると彗星が浮き上がってきた。それらしい姿になり、それなりに満足(笑)。

 そもそもZTF彗星って名称がちょっと変わっている。昔であれば発見者の名前がついている。例えば、日本人が発見した池谷・関彗星とか。で、ググってみる。ZTFというのはパロマー天文台の観測システムZTFに由来するらしい。なるほど。。。

 子どもの頃に憧れていた星空撮影がなんとかできるようになってきた(かも)。

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