Skip to content

道田久美子さんの場合

(1)大学に進学したいと考えた理由や将来の目標など(当時)

 高校時代、福祉に興味を持つようになり、福祉について学ぶことで今までお世話になった方への恩返しになると考えたことや、次は自分自身が障害のある人々への支援をすることになりたいと考え、社会福祉学部に進学することを決めました。

(2)大学に進学することを決めた時の不安や課題など(当時)

 高校まではろう学校に通い、先生も友達もその多くが手話での会話ができたので、特にコミュニケーションの面で困ることはありませんでした。しかし、一般の大学に進学するため、今までとは全く異なり、手話が使えるとは限らないし、困ったことなどは自ら発信するべきことなどは理解していました。しかし、それを自分ができるのだろうか?という不安はありました。

 または、授業を受ける時の情報保障がどのような内容なのか、どのような感じなのか、支援を受けられたからといって授業の内容を理解できるのか、などの心配はありました。

(3)入学後、気づいたこと(良かったこと、悪かったこと)

 良かったこととしては、進学した大学には情報保障がしっかりしていたことです。授業ではノートテイクを利用していました。ノートテイクにもいくつか種類があり、自分に適した種類を選択できるところもポイントでした。自分が学びたい分野において、適切な情報保障をつけることでさらに理解を深めたり、その分野の面白さを感じられたりしたときの喜びは、とても大きいものでした。

UDトークの利用風景
UDトークの利用(学生の机)

 悪かったこととしては、情報保障にはそれなりのタイムラグが生じることです。健聴者のみんなと一緒に、教室の一体感としてのリアルな時間を感じることが難しかったときもありました。

(4)大学生としての活動で記憶に残っている活動や出来事など

 手話サークルでは副部長を経験したり、障害者施設でのボランティアでは手話を教えたりしました。「手話」という自分の強みを、様々な場所で活用しながら活動できたことに幸せだと思いました。また、勉学の面でも、社会福祉士取得を目指して、友達と一緒に長時間の自主的な勉強ができたことも思い出のひとつです。

新入生を勧誘するため、手話の形をしたお面をかぶり、ピースサインをする道田さん。
手話サークルでの活動風景(新人勧誘)

(5)自分と同じ障害のある後輩たちに向けて

 色々な不安があると思いますが、なによりも自ら発信していくことがとても重要です。

大学祭のゼミ展を見学している参加者に手話や情報保障について説明する道田さん。
手話講座の講師として(大学祭でのゼミナール活動)

 失敗してもいいので色々なことに挑戦してみましょう。学生の時にしかできないこともたくさんあります。自分の障害を「武器」あるいは「個性」として、自分というものを持ちましょう。