日: 2021年12月6日

寒くなれば夜空が輝く

M31 アンドロメダ星雲とM42オリオン星雲

 星雲といえばアンドロメダ。アンドロメダといえば星雲。星雲と銀河の区別がつかない子どもの頃から憧れの星空ではあるけれど、普通に双眼鏡で見てもモヤっとしか見えない。カメラ(当時は白黒フィルム)を夜空に向けても、固定撮影では限界があり、写っても星が流れたオリオン座がせいぜい。星雲の写真撮影など、とても現実的ではなかった。
 社会人になり、家族も増え、信州へスキーにいく時など三脚とカメラを持って行き、星空が見えたら固定撮影をしてくる程度。1990年ごろ、大学院時代の友人とタイまで行って、皆既日食を見にいった。当時はまだフィルム。帰国してから現像に出してコロナがはっきり写っていた時は感動したけれど。もちろん、現地で見たコロナは写真にはない凄さがあった。
 その後、デジタルカメラが出現してから、フィルムを装填したり現像(=費用がかかる)することなくバシバシ撮影をすることができるようになるけれど、信州に居住することになっても仕事が忙しく、高価なデジタル一眼などは買えず、そのまましばらく時が過ぎた。中古のニコンD90を手に入れ、フィルム時代のレンズを利用して撮影を始めたのは2010年ごろかな。固定撮影でもそれなりに星座程度は写るようになった。赤道儀があれば綺麗に写るんだろうなぁと思っていた頃、望遠鏡用ではなくポータブル赤道儀としてビクセンからポラリエが発売された。価格も手頃だったこともあり入手。その後、しっかりとした三脚やら雲台などもぼちぼち手に入れながらなんとか望遠レンズでも写せるレベルになった。そうなると、いろいろな難点が目に余るようになる。ニコンD90では熱雑音がかなりあり、60秒程度の露光でももろに赤く写り込んでしまう。次なるデジイチとしてD3300を入手。熱雑音は皆無となり、それなりに綺麗に撮影できるようになった。D90は太陽(日食)や月の撮影要員となり、星空はD3300が独壇場に。そうなるといろいろと写したくなる。
 オリオン大星雲M42などの赤い波長はCCDセンサーのフィルタが邪魔をする。どうせ星空しか映さないカメラなんだからとフィルタ交換。なんと馬頭星雲も写せるように。

 M42オリオン大星雲の赤い波長がしっかりと写るようになる。さらに三つ星東側近くのNGC2024燃える木星雲まで入れようと思い、画角いっぱいの200mmF4で狙う。するとNGC2024の下にIC434馬頭星雲(赤く淡い散光星雲の中に馬頭形の暗黒星雲)も写っている。
Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f8)、 iso3200、露出90sec x 4(4枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/12 22:30頃我が家の庭から。

 こんな写真が撮れるようになると楽しくて、寒い夜空はしっかり防寒具を着て庭に出て行ける(笑)。最近、ミラーレスがどんどんと出現してきたこともあり一眼レフは時代遅れに。ニコンはレンズもミラーレス用Zマウントになり、オクでも一眼レフ用Fマウントのレンズ大量に出回ってきた。見ると300mmF4.5が2000円!とのことで落札。外観はしっかりと傷だらけでもレンズはそれなりに綺麗だった。分解して清掃するまでもなく使えそう。

 秋を過ぎるとアンドロメダ座が天頂からやや傾く。重くて長い300mm望遠レンズを向けるのが少しだけ楽になる。この手の望遠レンズは回転できるのが良いです。構図を決めるのがとても楽になる。
 300mm望遠レンズだとガイドエラーも頻繁に発生する。そのため、一発勝負ではなく、短めの撮影を繰り返して、後から合成(コンポジット)。エラーとなったコマは除外して、うまく撮影できたコマを構成してみる。M31アンドロメダ星雲は肉眼でもかろうじて見えるため、カメラを向けるのはさほど難しくはない。
Nikon D3300 + Nikkor300mmF4.5(f5.6)、 iso6400、露出60sec x 9 (9枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/07 23:30頃我が家の庭から。

 合成などをするためにはphotoshopなどのソフトでの加工技術が必須であり、いろいろと工夫しながら見やすいような画像に仕上げることも必要になる。また、たくさんの画像を合成するためにはガイドミスをなくすための努力も必要(固定方法など)。また、トリミング(拡大・縮小も含む)するだけではなく、色などの調整もできるため、随分とみやすく(見栄えよく)なる。

 1枚目とほぼ同様の構図でのオリオン星雲、燃える木星雲、馬頭星雲。固定方法などを確実にしたことで枚数を増やすことができた。40枚撮影して35枚が成功。歩留まりが75%(笑)
Nikon D3300 + Nikkor200mmF4(f5.6)、iso6400、露出60sec x 35(35枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/29 22:30頃〜我が家の庭から。
 合成してあるため、トリミングしてもそれなりに見栄えする(下)。

 次は300mmでこれくらいの精度で撮影できるかチェックしてみようかな。
(アップした画像はJPEGで、かつファイル容量を小さくしたためピントがあまくなっていますが、実際にはもうすこしピントがあっていますよ)