月: 2009年8月

坐る力!

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齋藤孝著 文春新書「坐る力」(文藝春秋社)を読む。

著者は有名な明治大学文学部教授。私と同い年でもある。

身体論と教育学をうまく結びつけた「書」が数多く出版されている。テレビにも出ているし各種講演活動も多いし、大学でも教えているのに、どうしてこんなに沢山の出版ができるんだろうと凡人は不思議に思う。でも、凡人には到底想像すらできないことをやり遂げるのが天才なんだろう。

さて、この書の前半に展開されている椅子にも興味をもつ(座位保持とか、姿勢保持というのがリハビリテーションにも大切な要素としてあるため)が、中盤以降に展開されている「静坐(法)」(正座ではない)について読むと、日本の伝統的な生活様式や風習というものが、理に適ったものだということが理解できる。

教育とか学修を考えるならば、頭(脳)を「上手く」働かせるためにはどうしたら効果的なのか、という視点が必要であろう。そのためのひとつの手段が「姿勢の改善」であり、脳を活性化させたり、意識を集中させるためには「姿勢」の善し悪しが関係する。

さて、「姿勢」が悪い自分の生活にも活かして、ちょっとだけでも齋藤先生の爪の垢でも煎じて呑んでみるか。。。

何年ぶり?

今朝、思い立って映画に行ってきました。(もしかしたら10年ほど行っていなかったかも。。。)

剣岳 点の記

新田次郎原作の映画化。何名かの友人知人から良い映画だったという感想を聞くにつれて見たくなったのも原因か。。。まあ、自分が25年以上前の学生時代に友人と2人で登った山であることも影響しているのかも。。。

三角点を設置する測量技師たちの史実に基づいた小説。まあ、新田次郎の小説の多くは、かなり丹念に事実を調べて作られるため臨場感があるものが多いよね。

当時の装備や技術でよくあの山が登れたのだという感心と同時に、現在の登山はその多くがルートを辿ることで山頂まで導いてくれるものだという異質なものだと思い知らされたような感じです。

まず、映画(昔)は富山駅から田んぼの中を「徒歩」。自分は富山駅から富山地方鉄道に乗り終点の立山駅。そこからケーブルカーとバスを乗り継ぎ室堂まで一気に到達できてしまったんだ。
そう言えば、富山に住んでいた頃、GWに立山の主峰雄山を2度ほど縦走したことがあったんだけど、両日ともに3,000m峰の日帰り登山。

映画を見たら、自分の登ったルートが少しだけ蘇ってきました。
室堂から雄山、大汝山を越え、剣沢へ下る。途中の別山からの剣岳は圧巻。
剣沢小屋で1泊。無論、昔は小屋など無いんだよね。

翌朝、かなり早く出発したけれど明るかったはず。あいにくの天気だった記憶はあるのだが、どのルートで登頂したのか、あまり確かな記憶がない。たぶん、一般的な尾根ルート。映画のルートとは違う。鎖場(カニの縦ばい&横ばい)や、固定梯子を何段も経由して登頂。三角点脇にあった祠がとても印象に残っている以外、雨のため視界は効かず、早々に下山したはず。

剣沢に出てからさらに下り、仙人池へ向かう。夕方、仙人池に映る剣岳を見て感動する。秋だった。周囲は紅葉し、夕陽に赤く染まるギザギザの頂を写真に納めた。実家にその時の写真は残っているはず。

翌日、剣岳は初冠雪。山の秋はあっという間に過ぎ去る。仙人池からはしご段乗越を経由して黒部ダム下まで到達。九十九折の急勾配が嫌になるころダム上部へ。そこからトロリーバスで扇沢(大町)へ出た。

映画のシーンにもなっていた仙人池の映像。まだ、記憶に残っています。また、仙人池ヒュッテのおばちゃん(全てのお客を覚えているらしいすごい記憶力の持ち主=「あんた初めてだよね」って言われた)の事も。

 

映画の中ではビバルディの四季や、バッハのG線上のアリアなどが使われていました。登山中に不意に頭に流れてくる音楽。呼吸や風の音に似ているのかな?
学生時代、登山しながらよく頭の中に流れていたのがチャイコフスキー交響曲第5番だったのを思い出しました。

映画を見たから、こんなことまで思い出すことができました。

登頂をする気はありませんが、仙人池までは行ってみたいかも。。。