完成したのはニキシー(Nixie)管という、私たちの年代にはとても懐かしい(?)、数字や記号を表示するための冷陰極放電管というものを使った「時計」でした。
ニキシー管とは1954年に製造(発明は1920年頃?)が始まった、ガラス製の真空管のようなもので、数字などの形状をした複数の陰極と、1つのメッシュ状陽極から成り、内部にはネオンガスが満たされているものです。
各陰極と陽極との間に200V弱の直流電圧を印加すると陰極から電子が放出され、陰極を覆うように赤橙色のグロー放電発光が生じ、そのため暗い背景に数字などが浮かび上がるため、視認することができます。もちろん、しっかりと見ると放電していない陰極なども見えないことはありませんが、ほとんど気になりません。
1970年代になり、電卓(電子卓上計算機)などの数字表示が、低電圧で駆動できる発光ダイオードや蛍光表示管のような7セグメント表示に取って代わり、ニキシー管の時代は終わったようです。その後、さらに低消費電力という流れから液晶表示となっていますが。。。
学生のころ、卒業研究の実験などで利用する周波数カウンタとかマルチメータなどに、このニキシー管が使われていて、メーターで計っていたような電圧などが数字で見れる!ということもあり、活用させて貰っていました。
さて、実際に製作した時計のハンダ面(部品面?)がこれです。旧式のニキシー管は真空管のような形態をした縦型ですが、今回のKitにはこのようなスマート?な横型のものが使われています。
箱に入れて、点灯させるとこんな具合です。
試しに12時34分に設定してみました。
オレンジ色の放電によって数字が浮かび上がります。陰極が前後という物理的配置なので数字によって奥行きが異なるのが良く解りますよね。
放電によって輝いているため、放電していない数字の電極(細い)は、それほど気になりません。
我がデジタルな音響セットと並べてみると、表示はデジタルなんだけど、なんとなくアナログ的な雰囲気を醸し出していると感じるのは私だけでしょうか。。。
そして、今回の主力工具は、長年愛用しているANTEXのハンダごて(15W)と0.5mmφのハンダです。微小な小手先があったからこそ、44pinSMDが問題なく、ハンダづけできたのだと思います。
まあ、コレ以外には小型ニッパとラジオペンチ、紙ばさみ、ドライバ、ワイヤーストリッパ、程度です。
さてさて、この時計には見落としがちな大きな欠点があります。
簡単な電源回路を採用しているため、アメリカの電源(電圧&周波数)でなければ動きません。放電させるための電圧と、時計のための周波数です。どちらも時計という機能には必要なのものですから。。。
もちろん、それを理解した上で作っています。3月末には私の置き土産となることでしょう。。。
そして、このNixie Clock Kitの存在を紹介してくれた古い友人に感謝。
数字がアナログ的に切り替わる動画を追加しました(2007/12/19夜)↓
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