カテゴリー: 星空天望

寒くなれば夜空が輝く2

オリオン座周辺の星雲

バラ星雲

 Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f5.6)、 iso3200、露出60sec x 26(26枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2022/1/24 21:00頃、我が家の庭から。

 NGC2244バラ星雲は天文関係の書籍や雑誌などでは知っていた。赤色光(赤外光)でもあり、肉眼ではほとんど見えない。位置は星図で大体の場所はわかっていたし、オリオン座を広角レンズで狙うとかすかに赤黒いぼやっとした光跡が写っている。まさか自分で撮影できるとは思っていなかったが、数回の試行から、それなりに撮影できた。200mm望遠の画角がぴったり。かなり大きい星雲である。

 バラ星雲をはじめて撮影できたのは2022年1月4日。いつものオリオン大星雲を撮影した後、なんとなくそのまま望遠レンズを大体の方向に向けて30秒ほど露光してみたら、ファインダの端に写っている。何回か方角を変えながら撮影し、中央付近に据えられた。とりあえず10枚、撮影してみた。それが下の画像。

 NGC2244 バラ星雲。Nikon D3300 + Nikkor 200mmF4(f4), iso3200, 60sec x 10枚コンポジット合成、ポラリエにて追尾。2022/01/07 22:00頃 我が家の庭から。


オリオン大星雲

 オリオン座は冬の星座の主役。南天でとても目立つ存在でもあり、少年時代にフィルムカメラ(モノクロ)で狙ったのもオリオン座。そして、デジタルカメラではじめて狙った星雲が、オリオン座の中心にあるオリオン大星雲M42である。毎年のように時期がくればカメラや雲台(ポラリエ)のチェックを兼ねて撮影を始める。

M42 オリオン大星雲

 M42 オリオン大星雲。Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f5.6)、 iso3200、露出60sec x 30(30枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2022/1/26 21:00頃、我が家の庭から。


馬頭星雲

 同じくオリオン座にある馬頭星雲。この星雲もバラ星雲と同様、赤色光が主体であり、なおかつ暗黒星雲として馬の頭が存在するため、自分に撮影できるとは考えていなかった。ただ、オリオン大星雲の撮影時にわずかながら薄赤い存在に気づく。また、燃える木星雲は馬頭星雲より明るいため、当初は燃える木星雲をしっかり映るように考えた。
 そして、何回もチャレンジし、露出時間を増やすよりコンポジット枚数を増やすことの方が(小型のポラリエには)適していると感じ、枚数を増やしてみた。すると、天文台などで撮影されるような画像、つまり馬の頭がはっきり写るように。

燃える木星雲NGC2024と馬頭星雲IC434

 IC434とNGC2024。Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f5.6)、 iso3200、露出60sec x 28(28枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2022/1/8 21:30頃、我が家の庭から。

 

寒くなれば夜空が輝く

M31 アンドロメダ星雲とM42オリオン星雲

 星雲といえばアンドロメダ。アンドロメダといえば星雲。星雲と銀河の区別がつかない子どもの頃から憧れの星空ではあるけれど、普通に双眼鏡で見てもモヤっとしか見えない。カメラ(当時は白黒フィルム)を夜空に向けても、固定撮影では限界があり、写っても星が流れたオリオン座がせいぜい。星雲の写真撮影など、とても現実的ではなかった。
 社会人になり、家族も増え、信州へスキーにいく時など三脚とカメラを持って行き、星空が見えたら固定撮影をしてくる程度。1990年ごろ、大学院時代の友人とタイまで行って、皆既日食を見にいった。当時はまだフィルム。帰国してから現像に出してコロナがはっきり写っていた時は感動したけれど。もちろん、現地で見たコロナは写真にはない凄さがあった。
 その後、デジタルカメラが出現してから、フィルムを装填したり現像(=費用がかかる)することなくバシバシ撮影をすることができるようになるけれど、信州に居住することになっても仕事が忙しく、高価なデジタル一眼などは買えず、そのまましばらく時が過ぎた。中古のニコンD90を手に入れ、フィルム時代のレンズを利用して撮影を始めたのは2010年ごろかな。固定撮影でもそれなりに星座程度は写るようになった。赤道儀があれば綺麗に写るんだろうなぁと思っていた頃、望遠鏡用ではなくポータブル赤道儀としてビクセンからポラリエが発売された。価格も手頃だったこともあり入手。その後、しっかりとした三脚やら雲台などもぼちぼち手に入れながらなんとか望遠レンズでも写せるレベルになった。そうなると、いろいろな難点が目に余るようになる。ニコンD90では熱雑音がかなりあり、60秒程度の露光でももろに赤く写り込んでしまう。次なるデジイチとしてD3300を入手。熱雑音は皆無となり、それなりに綺麗に撮影できるようになった。D90は太陽(日食)や月の撮影要員となり、星空はD3300が独壇場に。そうなるといろいろと写したくなる。
 オリオン大星雲M42などの赤い波長はCCDセンサーのフィルタが邪魔をする。どうせ星空しか映さないカメラなんだからとフィルタ交換。なんと馬頭星雲も写せるように。

 M42オリオン大星雲の赤い波長がしっかりと写るようになる。さらに三つ星東側近くのNGC2024燃える木星雲まで入れようと思い、画角いっぱいの200mmF4で狙う。するとNGC2024の下にIC434馬頭星雲(赤く淡い散光星雲の中に馬頭形の暗黒星雲)も写っている。
Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f8)、 iso3200、露出90sec x 4(4枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/12 22:30頃我が家の庭から。

 こんな写真が撮れるようになると楽しくて、寒い夜空はしっかり防寒具を着て庭に出て行ける(笑)。最近、ミラーレスがどんどんと出現してきたこともあり一眼レフは時代遅れに。ニコンはレンズもミラーレス用Zマウントになり、オクでも一眼レフ用Fマウントのレンズ大量に出回ってきた。見ると300mmF4.5が2000円!とのことで落札。外観はしっかりと傷だらけでもレンズはそれなりに綺麗だった。分解して清掃するまでもなく使えそう。

 秋を過ぎるとアンドロメダ座が天頂からやや傾く。重くて長い300mm望遠レンズを向けるのが少しだけ楽になる。この手の望遠レンズは回転できるのが良いです。構図を決めるのがとても楽になる。
 300mm望遠レンズだとガイドエラーも頻繁に発生する。そのため、一発勝負ではなく、短めの撮影を繰り返して、後から合成(コンポジット)。エラーとなったコマは除外して、うまく撮影できたコマを構成してみる。M31アンドロメダ星雲は肉眼でもかろうじて見えるため、カメラを向けるのはさほど難しくはない。
Nikon D3300 + Nikkor300mmF4.5(f5.6)、 iso6400、露出60sec x 9 (9枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/07 23:30頃我が家の庭から。

 合成などをするためにはphotoshopなどのソフトでの加工技術が必須であり、いろいろと工夫しながら見やすいような画像に仕上げることも必要になる。また、たくさんの画像を合成するためにはガイドミスをなくすための努力も必要(固定方法など)。また、トリミング(拡大・縮小も含む)するだけではなく、色などの調整もできるため、随分とみやすく(見栄えよく)なる。

 1枚目とほぼ同様の構図でのオリオン星雲、燃える木星雲、馬頭星雲。固定方法などを確実にしたことで枚数を増やすことができた。40枚撮影して35枚が成功。歩留まりが75%(笑)
Nikon D3300 + Nikkor200mmF4(f5.6)、iso6400、露出60sec x 35(35枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/29 22:30頃〜我が家の庭から。
 合成してあるため、トリミングしてもそれなりに見栄えする(下)。

 次は300mmでこれくらいの精度で撮影できるかチェックしてみようかな。
(アップした画像はJPEGで、かつファイル容量を小さくしたためピントがあまくなっていますが、実際にはもうすこしピントがあっていますよ)

今シーズン最後のオリオン座大星雲

 オリオン座大星雲(M42、散光星雲)は肉眼でもなんとか見えるほどの大きさだから、撮影もそれほど無理せずに望遠レンズの視野に入れられる。また、そこそこ明るいこともあり手軽に撮影できる。

 ポータブル赤道儀ポラリエ(初代)を手に入れ、標準レンズや広角レンズで星空を撮影してきたけれど、数年前から望遠レンズでも取り組み始めた。もちろん、対象はオリオン座大星雲。当初は手持ちの望遠レンズであった200mmF4というフィルム時代からの愛用品。カメラ本体はフィルム用でもあり、すでに骨董品。星空撮影には向かない。でも、レンズはデジタルになれど、マウントさえ合致すれば使える。そのため、ポラリエの限界(?)でもある200mm望遠レンズで頑張って撮影してきた。

 シーイングがよければ、オリオン座の3つ星近くのNGC2024「燃える木」やIC434「馬頭星雲」まで写すことができます。200mmであればオリオン座大星雲を含めて1枚の写真に入ります。というか、大星雲と3つ星を入れれば、肉眼では見えない燃える木や馬頭星雲も写るってこと。笑

 今シーズンは300mmF4.5という望遠レンズを手に入れた。オクにて3k円だった。もうすこし明るいレンズが良かったけれど金額的には無理。まずは300mmを使い倒してみるかな。200mmと比較してもかなり大きく重たい。ポラリエではミス(星像が流れる)が増える。200mmが限界なのかもしれない、と思いつつバランスなどにも配慮しながら使ってみる。かなり古い物でもあり、外見の汚れはどうでも良いけれど、光学系が気になる。わずかに前玉裏にカビがあるけれど映像に影響がでるほどではないし、たぶん自分でも掃除できそう。いずれ分解掃除のためのモルモットになるだろうな。笑

オリオン座大星雲
オリオン座大星雲

Nikon D3300 (iso3200) + Nikkor 300mm F4 (f5.6) + ポラリエ (2021/03/16)
露光30secで撮影した8枚画像をコンポジット合成

追伸:このblogからWordPressにて作成。以下はMovableType (cocolog)で作成したものです。