カテゴリー: 星空天望

2023年初の星空撮影

鳥が羽を広げたような形状のオリオン大星雲

2023年の年が明けました。
 お正月からずっと月夜でした。お月さまも撮影対象なのですが、このところご無沙汰です。
2023/01/12の月の出が午後9時過ぎということから夜空の天気を確かめながら。。。午後8時頃から撮影を開始してみました。それほど星が綺麗な状況ではなかったのですが、先日大昔の300mm望遠レンズ(ニコン製、たぶん50年ほど前の製造らしい)を自分で分解清掃したこともあり、今宵1/12は300mmF4.5にて撮影。
 望遠レンズが長くなればなるほどガイドエラーの確立も増えますわね。昨年、ポラリエのオーバーホールをしてから精度が良くなり、今回は60秒の露光を50枚撮影して使えそうな画像が40枚。歩留まりとしてはまずまずです。

オリオン星雲の画像
オリオン大星雲M42

2023年1月12日 午後8時10分頃から1時間ほど。
オリオン大星雲(M42)
Nikon D3300 + Nikkor 300mmF4.5(f5.6)、iso3200、60sec x 40枚のコンポジット合成(ステライメージ9)、ポラリエで追尾。

 オリオン大星雲は肉眼でも見えるほど大きな星雲です。ただ、見える部分は双眼鏡や望遠鏡を利用しても写真では白く写っている部分だけですね。赤い部分は写真でなければ難しいです。
 大昔のニコン製レンズ300mmF4.5もそれなりに頑張りました。jpegファイルを圧縮しているためピントがあまいのですが、圧縮する前の段階でもそれほどシャープじゃない(笑)。
 そもそもレンズの無限遠の調整をしないといけないのか、あるいはガイドミスによるものなのかは判断できません。なかなか老眼の眼でピント合わせは難しいです。星が歪なのも、ガイドの問題なのか、レンズの収差の問題なのか。いろいろと専門家に聞いてみたいですね。

星空撮影のシーズンに(2)

皆既月食中の星空

皆既月食(2022/11/08 19:26)

 皆既月食中の周囲の星空を撮影したくてチャレンジしてみました。通常は月が明るすぎて周囲の星はほとんど撮影不可ですが、皆既月食となれば月の明るさはかなり低下するため写るんじゃないかなと。(笑)

2022/11/08 19:26
カメラNikonD3300、オールド(笑)レンズ200mmF4(f4開放)
カメラの設定iso1600、シャッター(露光時間)30sec。ポラリエで追尾。

 ポラリエには追尾モードがいくつかあり、通常は星空モード(星野写真)で撮影するのだけれども、今日は月食だからと月追尾モードで撮影したら星が流れる。当たり前だけれど星と月は速度が異なるため、同時に撮影するのはかなり難しい。無理を承知でいろいろと試すことに。まあ、露出を抑えれば良いのはわかるが、そうすると星が暗くなり、感度を上げると皆既月食中といえども月はかなり明るいのでハレーションを起こす。これも経験だわ〜。経験値ゼロだからしかたないかな。(笑)
天王星食だと言われるけれど、どれが天王星?(笑笑)

冬の星座の代名詞オリオン座

オリオン座 燃える木星雲NGC2024と馬頭星雲IC434

 月の出が23時ごろとなったため、冬の星座をターゲットにしてみる。オリオン座が高く登るようになったこともあり、馬頭星雲IC434と燃える木NGC2024。オリオン座の三つ星、つまりベルトの星を対象に。毎年、同じだから変わり映えしない。

2022/12/15 10:30頃
カメラNikonD3300、オールド(笑)レンズ200mmF4(f4開放)
カメラの設定iso3200、シャッター(露光時間)120sec X 12枚コンポジット合成。ポラリエで追尾。
昨シーズン後にポラリエをオーバーホールしたため、ガイドミスは皆無となりました。色調整がイマイチ納得できませんが。。。

冬の星座の代名詞オリオン座(2)

オリオン大星雲(M42)と三つ星周辺

 我が家の北側日陰にはまだ先日の雪が残っています。昨夜も快晴で、星空日和でした。300mm望遠レンズも試しましたがレンズの収差もあり、なかなか思うような画が撮れませんね。腕も未熟ですわ。
 一般的なデジタルカメラのCCDセンサーには赤外光を防ぐフィルタが付いていますが、星空撮影の場合、赤外光もできれば取り込みたいため、私のカメラNikonD3300には赤外も透過する特殊なフィルタに交換してあり、普通の太陽光の下で撮影すると赤っぽくなります。

2022/12/26 21:0頃
燃える木星雲(NGC2024)と馬頭星雲(IC434)を狙うとオリオン大星雲(M42)が明るすぎてホワイトアウトしてしまいます。明るい星雲と暗い星雲を同時に写し込むのは難しいですわ。
カメラNikonD3300、オールド(笑)レンズ200mmF4(f5.6)
カメラの設定iso3200、シャッター(露光時間)60sec X 49枚コンポジット合成。ポラリエで追尾。

 これで2022年の撮り納めでした。

星空撮影のシーズンに

10月になり夜空が比較的安定する季節となりました。

例年のように星雲星団などの撮影に適した時期となり、ボチボチと撮影をはじめました。

アンドロメダ星雲

 上記写真はアンドロメダ座にあるとても有名なアンドロメダ星雲。メシエ天体でM31と称されています。2022/10/29の21時ごろ自宅庭にて撮影。

 撮影機材はニコンのデジタル一眼レフNikon D3300に、とてつもなく古いフィルムカメラ用望遠レンズNikkor 200mmF4レンズを装着し、一絞り絞って(f5.6)利用しています。このレンズは自分が高校生の時、ニコンF2というカメラ用に入手。当時はフィルムカメラでなんとか星座を撮影しようとしていましたがなかなかうまく撮影できませんでした。
 この撮影機材をポータブル赤道機ポラリエに搭載して機械的に追尾しています。正確に極軸を合わせるのがコツです。ポラリエは第1世代のもので、昨年オーバーホールに出しました。

 今回の撮影では、カメラの感度を iso12800,iso3200,iso1600と変え、それぞれ露出は60secごとに10回撮影。この60sec x 10枚で、それぞれの感度ごとにステライメージという天体写真用ソフトを利用して合成(コンポジット)した後、色調などを補正した上で、最終的にはjpegファイルにしてから周囲をトリミングしています。

寒くなれば夜空が輝く2

オリオン座周辺の星雲

バラ星雲

 Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f5.6)、 iso3200、露出60sec x 26(26枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2022/1/24 21:00頃、我が家の庭から。

 NGC2244バラ星雲は天文関係の書籍や雑誌などでは知っていた。赤色光(赤外光)でもあり、肉眼ではほとんど見えない。位置は星図で大体の場所はわかっていたし、オリオン座を広角レンズで狙うとかすかに赤黒いぼやっとした光跡が写っている。まさか自分で撮影できるとは思っていなかったが、数回の試行から、それなりに撮影できた。200mm望遠の画角がぴったり。かなり大きい星雲である。

 バラ星雲をはじめて撮影できたのは2022年1月4日。いつものオリオン大星雲を撮影した後、なんとなくそのまま望遠レンズを大体の方向に向けて30秒ほど露光してみたら、ファインダの端に写っている。何回か方角を変えながら撮影し、中央付近に据えられた。とりあえず10枚、撮影してみた。それが下の画像。

 NGC2244 バラ星雲。Nikon D3300 + Nikkor 200mmF4(f4), iso3200, 60sec x 10枚コンポジット合成、ポラリエにて追尾。2022/01/07 22:00頃 我が家の庭から。


オリオン大星雲

 オリオン座は冬の星座の主役。南天でとても目立つ存在でもあり、少年時代にフィルムカメラ(モノクロ)で狙ったのもオリオン座。そして、デジタルカメラではじめて狙った星雲が、オリオン座の中心にあるオリオン大星雲M42である。毎年のように時期がくればカメラや雲台(ポラリエ)のチェックを兼ねて撮影を始める。

M42 オリオン大星雲

 M42 オリオン大星雲。Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f5.6)、 iso3200、露出60sec x 30(30枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2022/1/26 21:00頃、我が家の庭から。


馬頭星雲

 同じくオリオン座にある馬頭星雲。この星雲もバラ星雲と同様、赤色光が主体であり、なおかつ暗黒星雲として馬の頭が存在するため、自分に撮影できるとは考えていなかった。ただ、オリオン大星雲の撮影時にわずかながら薄赤い存在に気づく。また、燃える木星雲は馬頭星雲より明るいため、当初は燃える木星雲をしっかり映るように考えた。
 そして、何回もチャレンジし、露出時間を増やすよりコンポジット枚数を増やすことの方が(小型のポラリエには)適していると感じ、枚数を増やしてみた。すると、天文台などで撮影されるような画像、つまり馬の頭がはっきり写るように。

燃える木星雲NGC2024と馬頭星雲IC434

 IC434とNGC2024。Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f5.6)、 iso3200、露出60sec x 28(28枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2022/1/8 21:30頃、我が家の庭から。

 

寒くなれば夜空が輝く

M31 アンドロメダ星雲とM42オリオン星雲

 星雲といえばアンドロメダ。アンドロメダといえば星雲。星雲と銀河の区別がつかない子どもの頃から憧れの星空ではあるけれど、普通に双眼鏡で見てもモヤっとしか見えない。カメラ(当時は白黒フィルム)を夜空に向けても、固定撮影では限界があり、写っても星が流れたオリオン座がせいぜい。星雲の写真撮影など、とても現実的ではなかった。
 社会人になり、家族も増え、信州へスキーにいく時など三脚とカメラを持って行き、星空が見えたら固定撮影をしてくる程度。1990年ごろ、大学院時代の友人とタイまで行って、皆既日食を見にいった。当時はまだフィルム。帰国してから現像に出してコロナがはっきり写っていた時は感動したけれど。もちろん、現地で見たコロナは写真にはない凄さがあった。
 その後、デジタルカメラが出現してから、フィルムを装填したり現像(=費用がかかる)することなくバシバシ撮影をすることができるようになるけれど、信州に居住することになっても仕事が忙しく、高価なデジタル一眼などは買えず、そのまましばらく時が過ぎた。中古のニコンD90を手に入れ、フィルム時代のレンズを利用して撮影を始めたのは2010年ごろかな。固定撮影でもそれなりに星座程度は写るようになった。赤道儀があれば綺麗に写るんだろうなぁと思っていた頃、望遠鏡用ではなくポータブル赤道儀としてビクセンからポラリエが発売された。価格も手頃だったこともあり入手。その後、しっかりとした三脚やら雲台などもぼちぼち手に入れながらなんとか望遠レンズでも写せるレベルになった。そうなると、いろいろな難点が目に余るようになる。ニコンD90では熱雑音がかなりあり、60秒程度の露光でももろに赤く写り込んでしまう。次なるデジイチとしてD3300を入手。熱雑音は皆無となり、それなりに綺麗に撮影できるようになった。D90は太陽(日食)や月の撮影要員となり、星空はD3300が独壇場に。そうなるといろいろと写したくなる。
 オリオン大星雲M42などの赤い波長はCCDセンサーのフィルタが邪魔をする。どうせ星空しか映さないカメラなんだからとフィルタ交換。なんと馬頭星雲も写せるように。

 M42オリオン大星雲の赤い波長がしっかりと写るようになる。さらに三つ星東側近くのNGC2024燃える木星雲まで入れようと思い、画角いっぱいの200mmF4で狙う。するとNGC2024の下にIC434馬頭星雲(赤く淡い散光星雲の中に馬頭形の暗黒星雲)も写っている。
Nikon D3300 + Nikkor 200mm F4(f8)、 iso3200、露出90sec x 4(4枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/12 22:30頃我が家の庭から。

 こんな写真が撮れるようになると楽しくて、寒い夜空はしっかり防寒具を着て庭に出て行ける(笑)。最近、ミラーレスがどんどんと出現してきたこともあり一眼レフは時代遅れに。ニコンはレンズもミラーレス用Zマウントになり、オクでも一眼レフ用Fマウントのレンズ大量に出回ってきた。見ると300mmF4.5が2000円!とのことで落札。外観はしっかりと傷だらけでもレンズはそれなりに綺麗だった。分解して清掃するまでもなく使えそう。

 秋を過ぎるとアンドロメダ座が天頂からやや傾く。重くて長い300mm望遠レンズを向けるのが少しだけ楽になる。この手の望遠レンズは回転できるのが良いです。構図を決めるのがとても楽になる。
 300mm望遠レンズだとガイドエラーも頻繁に発生する。そのため、一発勝負ではなく、短めの撮影を繰り返して、後から合成(コンポジット)。エラーとなったコマは除外して、うまく撮影できたコマを構成してみる。M31アンドロメダ星雲は肉眼でもかろうじて見えるため、カメラを向けるのはさほど難しくはない。
Nikon D3300 + Nikkor300mmF4.5(f5.6)、 iso6400、露出60sec x 9 (9枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/07 23:30頃我が家の庭から。

 合成などをするためにはphotoshopなどのソフトでの加工技術が必須であり、いろいろと工夫しながら見やすいような画像に仕上げることも必要になる。また、たくさんの画像を合成するためにはガイドミスをなくすための努力も必要(固定方法など)。また、トリミング(拡大・縮小も含む)するだけではなく、色などの調整もできるため、随分とみやすく(見栄えよく)なる。

 1枚目とほぼ同様の構図でのオリオン星雲、燃える木星雲、馬頭星雲。固定方法などを確実にしたことで枚数を増やすことができた。40枚撮影して35枚が成功。歩留まりが75%(笑)
Nikon D3300 + Nikkor200mmF4(f5.6)、iso6400、露出60sec x 35(35枚コンポジット合成)、ポラリエ雲台にて追尾。2021/11/29 22:30頃〜我が家の庭から。
 合成してあるため、トリミングしてもそれなりに見栄えする(下)。

 次は300mmでこれくらいの精度で撮影できるかチェックしてみようかな。
(アップした画像はJPEGで、かつファイル容量を小さくしたためピントがあまくなっていますが、実際にはもうすこしピントがあっていますよ)