カテゴリー: 趣味

星空撮影の協力な味方

撮影データ処理のためのソフト

ステラーイメージ9

これまで利用してきたソフト「ステライメージ9」は国産有料ソフトの中でも有名。アストロアーツという会社が制作しているステラなんとかのうちのひとつ。撮影後の画像処理を担うソフトです。他にステラナビゲーターとかステラショットなどがありますが、まだそれらが必要な環境が当方にはありません(汗)。

これまで掲示してきた星空写真のうちの新しいものはステライメージで処理をしてきました。特に難しいものではないけれど、画像の色彩や明度などの調整がなかなか思うようにならない。ステライメージを使う前はPhotoshopでチマチマ加工しており、当時の方が色などの調整はうまくいっていたようにも思います。そんな状況からフリーソフトを少しだけ使ってみようかなと(笑)。

SiriL 1.2.1

先日、導入してみたのが「SiriL 1.2.1」というフリーソフト。ステライメージはWindowsで動くものですが、こちらはWindowsもMacintoshもLinuxもオッケーというもの。Macで処理や加工がしてみたいという思いもあり少しだけ導入してみようかな?という軽い気持ちでダウンロード。

日本語での解説記事はまだ少ないけれどそれほど込み入ったことはしなくて良さそうでもあり、ほぼお任せで処理が進んでいくような感じ。処理時間もかなり早いような気がする。ステライメージと処理時間を比較すればいいんだけれど、まあ時間のある時にでもしようかな。。。


この冬、なかなかいい映像が撮れない「バラ星雲NGC2237-9」。これまで複数回撮影してきたけれど、ステライメージで色彩などを加工すると星雲が変形しているようにも思えて。。。

そんなこともあり、真っ先に処理をしてみたのがバラ星雲。

2024/1/4 22時20分頃から
Nikon D3300(HKIR)+ED180mmF2.8(f4) iso1600、ポラリエにてノータッチガイド。
60sec x 15枚をステライメージ9でコンポジット合成し、調整。トリミングなし。
星雲を横から突っ切る僅光がある。これISS国際宇宙ステーションと確認済。


これとは別に撮影したバラ星雲をSiriLで加工したものがこちら。構図が違いますが上が北。

2024/03/08 21:00頃から
Nikon D3300(HKIR)+ED180mmF2.8f4.0(LPR2フィルタ52mm)iso3200、ポラリエにてノータッチガイド。30sec x 21枚(Dark50Flat50)
SiriL1.2.1を初めて使って処理。バラ星雲の色はあまりケバくなく、星の形状もそれなりに小さく綺麗。左上にあるクリスマスツリー星団がけっこう綺麗に表現されているなぁと思う(自画自賛)。

またオンラインデータベースを参照してこの様な目標物についても書き込んでくれます。凄!


アンドロメダ星雲

2023/12/30 20時40分頃から
Nikon D3300+180mmF2.8f4.0, iso3200、ポラリエにてノータッチガイド 。
60sec x 49枚をステライメージ9でコンポジット合成し処理(わずかにトリミング)したものがこちら↑


同じデータをSiriLで合成し処理したものがこちら↑

まったく同一のデータであっても処理の仕方(ソフト)によって随分と雰囲気が変わるものです。どちらが良いかはそれぞれですね。

2024年は元日から揺れた

 元日夕方、信州も揺れました。長周期振動という感じ。石川県能登地方は大きな被害となり、なかなか困難な状況のようです。阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と被害の大きな地震があったが、本当にこれらの教訓は生かされているのだろうか。
 コロナ禍が長引く中、ウクライナやガザ地区での戦闘行為が激化し、世界的にも何か歯車が噛み合わないような状況になり、日本も同様、政府ってこんなにガラクタなのかと呆れる日が増えています。困ったものです。

正月の飾り付け

バラ星雲NGC2237,2238,2239

 2024/1/4 22時20分頃から
Nikon D3300(HKIR)+ED180mmF2.8(f4) 、iso1600、ポラリエにてノータッチガイド。
60sec x 15枚をステライメージ9でコンポジット合成し、調整。トリミング。

 拡大するとわかりますが薔薇星雲の中央やや左下から右上へを横切る僅かな光線があります。後から調べたらISSの様でした。凄いタイミング👍
 寒かった。途中でカメラのバッテリーがあがってしまい、予定枚数の撮影ができなかったし、終了時には機材の多くが霜だらけに。レンズには霜除ヒーターをつけてあるけれど、ファインダーにはなく、真っ白になっていました。

冬の代表オリオン座の星雲

 オリオン座は明るい星が多く、形も覚えやすい。オリオンのベルトが三ッ星で、その東側(左側)にいくつかの星雲があります。1/11は綺麗な夜空だったので庭で撮影。寒かったけれど良い写真が撮れました。

オリオン座三ッ星の馬頭星雲(IC434)と燃える木星雲(NGC2024)

2024/1/11 20時50分頃から
Nikon D3300(HKIR)+ED180mmF2.8(f2.8)、iso3200,、ポラリエにてノータッチガイド。
30sec x 53枚をステライメージ9でコンポジット合成し、調整。トリミング。

シーズンが到来!

アンドロメダ星雲(M31)の撮影

アンドロメダ星雲M31

冬が到来し、月のない暗い夜空は撮影会となります。今シーズンも開始!

夜9時ごろになるとアンドロメダ座が真上。綺麗な夜空であれば星雲が見えます。ただ、目が悪い私の場合、しっかりと遠くを見るためのメガネが必要ですが。。。

2023/11/13 21時頃から
Nikon D3300(HKIR)+200mmF4(f4) iso3200、ポラリエにてノータッチガイド。
60sec x 60枚をステライメージ9でコンポジット合成し、調整。トリミングなし。

今回は某所オンラインにて頂いたご指摘を元にダーク画像をしっかり30枚も撮影。いろんなノイズを除去(たぶん(笑))。

再びのアンドロメダ星雲M31の撮影〜

満月が過ぎ新月の後の良い夜空です。

アンドロメダ星雲M31

2023/12/17 20時30分頃から
Nikon D3300(HKIR)+200mmF4(f5.6) iso3200、ポラリエにてノータッチガイド。
90sec x 38枚をステライメージ9でコンポジット合成し、調整。トリミングあり。

同じ日の後、オリオン座が登ってきたので少しだけ撮影。

オリオン星雲M42ほか

2023/12/17 21時30分頃から
Nikon D3300(HKIR)+200mmF4(f5.6) iso3200、ポラリエにてノータッチガイド。
90sec x 22枚をステライメージ9でコンポジット合成し、調整。トリミングなし。

彗星を撮影!

ハレー彗星に憧れた子ども時代

 子どもの頃、ハレー彗星が話題となりワクワクした記憶はあります。実際、1986年に接近したようですが、当時は天体観測にそれほど夢中になっていたわけでもなく、仕事をしていたこともあり見たという記憶はありません。周期が75年であるため次は2061年。生きていないわ。

 子どもが生まれ、それなりに自然にも興味を持ち始めた頃、経緯台に載せたカセグレン望遠鏡を購入。手動で星を導入するシステムも搭載して、お手軽に星を見る環境にはなったけれど、なかなか仕事も忙しく、子どもらも成長してしまい一緒に遊ぶこともなく、望遠鏡は仕舞い込んでしまった(笑)。

 転職して長野県に住む様になり、夜空がとても綺麗な環境であることに気付き(笑)、遅くに帰宅した際、漆黒とは言わないまでも都会よりは綺麗な夜空を眺めることも増えた。そういえば昔、天体写真を撮りたくて白黒フィルムの増感現像などもしたけれど、結局納得できるような写真にはならなかったなぁ。苦労して撮影しても、現像したらミミズのはった痕のようなものばかり。「天文ガイド」に掲載されるような写真とは程遠く(笑)諦めた頃を思い出す。

 長野に居住するようになった頃はすでにフィルムではなく、デジタルにもなっていたこともあり、手持ちのデジイチを三脚に据えて撮影してみたら。。。あれ、しっかり写るじゃん。ということで、忙しくても星空の綺麗な夜中には三脚を出す始末。その後、ボチボチと機材も揃えつつ、身の程にあった環境にはなってきたかな。数年前に退職し、冬の夜空が綺麗な時には数時間撮影することも。

ZTF彗星(C/2022 E3)

 オリオン星雲とかアンドロメダ星雲をチープな環境でも、そこそこ撮影できるようになり、日蝕や月蝕なども撮影できるようになってきた昨年暮れ。ZTF彗星という変わった名称の彗星が到来するらしい、ということを聞きつけるが、それはしっかりとした赤道儀に大きな望遠鏡を備えた人たちのターゲットだろう、と諦めていた。

 目視できない暗い天体でもあるため、とりあえず目印になりそうなところまで到来した時にでも撮影してみるか、という程度。ちょうど2023/02/14ごろに牡牛座にある一等星アルデバランに再接近。で、とりあえずアルデバランを狙ってみた。

2023年2月15日 午後8時30分頃から30分ほど。
牡牛座アルデバランをターゲットに!
Nikon D3300 + Nikkor 200mmF4(f8)、iso1600、60sec x 20枚のうちの初めの8枚をコンポジット合成(PhotoShop)、ポラリエで追尾。

アルデバラン(中央)とZTF彗星(左・東)

 上記写真は撮影当日、8枚の画像をPhotoShopでコンポジット合成しただけの画像。簡単な処理だけでもそれなりに彗星とわかる映像。生まれてはじめて自分にも撮影できたと驚いている。それなりに青?緑?の核と短いけれども尾がなんとか判別できる。撮影データはもっと多く合計30分ほどある。しかし、彗星は恒星よりもはやく移動しており、20枚のデータを合成すると彗星が伸びてしまう。彗星を固定して合成することもできるらしいが。。。方法が理解できていないので今後、がんばってみる(かも)。

ZTF彗星(上と同じデータを複数枚で画像処理すると彗星もそれらしく見える)

 同じデータをステライメージで処理をしなおして、背景の星を少し消してみると彗星が浮き上がってきた。それらしい姿になり、それなりに満足(笑)。

 そもそもZTF彗星って名称がちょっと変わっている。昔であれば発見者の名前がついている。例えば、日本人が発見した池谷・関彗星とか。で、ググってみる。ZTFというのはパロマー天文台の観測システムZTFに由来するらしい。なるほど。。。

 子どもの頃に憧れていた星空撮影がなんとかできるようになってきた(かも)。

2023年初の星空撮影

鳥が羽を広げたような形状のオリオン大星雲

2023年の年が明けました。
 お正月からずっと月夜でした。お月さまも撮影対象なのですが、このところご無沙汰です。
2023/01/12の月の出が午後9時過ぎということから夜空の天気を確かめながら。。。午後8時頃から撮影を開始してみました。それほど星が綺麗な状況ではなかったのですが、先日大昔の300mm望遠レンズ(ニコン製、たぶん50年ほど前の製造らしい)を自分で分解清掃したこともあり、今宵1/12は300mmF4.5にて撮影。
 望遠レンズが長くなればなるほどガイドエラーの確立も増えますわね。昨年、ポラリエのオーバーホールをしてから精度が良くなり、今回は60秒の露光を50枚撮影して使えそうな画像が40枚。歩留まりとしてはまずまずです。

オリオン星雲の画像
オリオン大星雲M42

2023年1月12日 午後8時10分頃から1時間ほど。
オリオン大星雲(M42)
Nikon D3300 + Nikkor 300mmF4.5(f5.6)、iso3200、60sec x 40枚のコンポジット合成(ステライメージ9)、ポラリエで追尾。

 オリオン大星雲は肉眼でも見えるほど大きな星雲です。ただ、見える部分は双眼鏡や望遠鏡を利用しても写真では白く写っている部分だけですね。赤い部分は写真でなければ難しいです。
 大昔のニコン製レンズ300mmF4.5もそれなりに頑張りました。jpegファイルを圧縮しているためピントがあまいのですが、圧縮する前の段階でもそれほどシャープじゃない(笑)。
 そもそもレンズの無限遠の調整をしないといけないのか、あるいはガイドミスによるものなのかは判断できません。なかなか老眼の眼でピント合わせは難しいです。星が歪なのも、ガイドの問題なのか、レンズの収差の問題なのか。いろいろと専門家に聞いてみたいですね。